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2008年5月13日|編集:小原(直)

ひそかに「便秘」に悩んでいる方はいらっしゃいませんか。
頭痛や肩こりなら他人に相談できても、便秘はよほど親しくないと打ち明けられない、なかには家族にも相談できないという方もいらっしゃると聞きます。
普段の食習慣で改善できる部分も多くありますので、改めて毎日の食事を見直してみませんか?
今回は、「便秘」にスポットをあてて三吉保健師が解説します。
私たちが口にした食物は、食道・胃・十二指腸を経て小腸にたどり着きます。小腸で食物に含まれる栄養素と水分のほとんどが消化吸収され、残ったものが大腸に送られます。大腸でさらに栄養素と水分が消化吸収されると、残った固形物があとで排泄される便になります。
大腸で食物が消化吸収されるとき、腸管の粘膜からは内容物を動きやすくする腸液が分泌されています。この腸液と1日に数回起こる大腸の蠕動(ぜんどう)運動で、大腸内に残った固形物が直腸から便として排泄されます。
この一連の流れが滞ると、大腸内で便に含まれる水分が過度に吸収されて硬くなり、排便がスムーズに行われなくなります。そして、大腸にガスや便がたまって痛みや不快感を覚える「便秘」といわれる状態になります。
便秘になると、本来なら体外に排泄される有害物質も、便が大腸に留まっているあいだに腸壁から吸収されてカラダ中の細胞に運ばれてしまうため、細胞の働きが悪くなり、頭痛や吐き気、肌荒れ、肩こりなどさまざまな症状をもたらします。
食事が食物繊維の少ないものに偏っていたり、食事の絶対量が少ないために腸壁に刺激を感じにくくなっていたりすることが原因の「食事性便秘」。
たびたび便意を我慢しているために、蠕動(ぜんどう)運動がおきにくくなる「習慣性便秘」。
老化や運動不足による腹筋力の低下で、腸の収縮力が弱まったことが原因の「弛緩性便秘」。
ストレスや過労で自律神経のバランスが崩れて腸が痙攣(けいれん)を起こす「痙攣(けいれん)性便秘」。
加えて女性には、男性に比べると便秘になりやすい理由がいくつかあります。
▼骨盤が広く腸が落込んで曲がりが強くなっている。
▼腹筋や横隔膜の筋力が弱く、便を排出する力が弱い。
▼女性ホルモン(プロゲステロン)が、排卵に備え水分を体内に溜め込もうとする作用で便を硬くしたり、子宮などを緊張させ腸の動きを阻害して便の通過を悪くしたりする。
便秘には避けがたい理由もありますが、ある程度は生活習慣を変えることで緩和できます。
朝食をとりましょう。腸の蠕動(ぜんどう)運動には、朝カラダを起こしたときの「起立反射」によるものと、食事をとることでおきる「胃結腸反射」によるものがあります。朝食をとることで、この2つのスイッチが入ることになります。
起きがけに飲むコップ1杯の水も腸の働きを助けます。ミネラル分を多く含む硬水はより効果がありますが、飲みすぎると血圧を上昇させますのでお気をつけください。
オリーブオイルは便秘を改善する働きを持つオレイン酸を含んでいます。オリーブオイルを短時間に大さじ1~2杯とると小腸を素通りして大腸に届き、硬くなった腸内物がオレイン酸の作用でやわらかくなるのでスムーズな排便に効果を発揮します。ただしオリーブオイルは大さじ2杯でご飯かるく1膳に相当する高カロリー食品ですので、とり過ぎないよう注意しましょう。
食物繊維が便秘解消に良いことはご存じでしょう。しかし根菜類やイモ類はとりすぎると腸内の水分を吸収しすぎてかえって便を硬くしてしまうことがあります。りんごやバナナなどの果物のほか、納豆、海草といった水溶性食物繊維もあわせてとると腸の動きがスムーズになります。これらの水溶性食物繊維が含まれた食事がとりにくい時は、市販されている食物繊維飲料でも大丈夫です。
乳酸菌は腸の調子を整えます。よく知られているのがヨーグルトなどに含まれるビフィズス菌ですが、そのほかに味噌・しょうゆ・漬物・ザーサイ・キムチ・ザワークラウトといった伝統的な保存食にもいろいろな乳酸菌が含まれています。
カラダの右側を下にして横になり、深呼吸しながら時計回りにお腹をゆっくり5~10分さするマッサージも腸の動きを促します。
適度な運動やストレスの解消が有効なのはいうまでもありません。
生活習慣を変えるのは大変、でも便秘は何とかしたい・・・そんなお手軽派が喜びそうなキャッチコピー「腸内洗浄で宿便を取除き、毒素を出しましょう」ときどき見かけますね。
腸は蠕動(ぜんどう)運動によって便をおしだしていますので、古い便がこびりつくことはありませんし、カラダに良くないものや不要なものがあれば排出する力を持っています。健康な人が腸内洗浄をする必要はありません。むしろ腸の持つバランスを保つ力を奪うことになりかねません。遠回りでも、カラダのもっている力を引出したり育てたりする方が良いようです。
大腸のポリープや腸閉塞といった腸の病気のほか、腫瘍などの圧迫によって便秘が起きることもあります。いつもの便秘と違うな・・と感じたら、まず内科・消化器科・肛門科などを受診してください。
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