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2010年1月 5日|編集:小原(直)
ジェネリック医薬品をご存じですか? 最近ではCMなどの効果もあって、かなり知られてきているように感じます。みなさんも、1度や2度は聞いたことがありますよね。
ところが、日本のジェネリック医薬品の普及率は諸外国と比べて圧倒的に低いのです。「知っているけど、使用したことがない」という方が大半ではないでしょうか。
ジェネリック医薬品は、上手に活用すれば、病院で処方される薬を2~7割ほど安く手に入れることができるので、家計にとってもやさしいのです。
今日はジェネリック医薬品についてお話しましょう。
病院で処方される薬には先発医薬品と後発医薬品があります。
先に開発された医薬品が「先発医薬品(新薬)」です。それに対し、成分・製造方法に関する特許権が消滅した先発医薬品を、特許権を有していなかった製薬会社がその有効成分を使用して製造したものを「後発医薬品(ジェネリック医薬品)」といいます。
このジェネリック医薬品の普及率は、諸外国では、アメリカ63%・イギリス59%・ドイツ56%・フランス39%と、かなり一般的になっていることがうかがえますが、日本では約17%しか普及していません。(2006年の出荷数量:ジェネリック製薬協会調べ)
医療費抑制のために厚生労働省がジェネリック医薬品の普及に努めていますが、まだまだ普及しているとは言い難いのが現状です。
ジェネリック医薬品は、なぜ安いのでしょうか。
新薬の開発には膨大な研究時間と巨額の費用を要します。そのため、製薬会社は開発した新薬に特許権を取得して、他社が製造販売できないようにし、研究開発に投資した費用の回収を図ります。しかし、特許権の存続期間は原則20~25年ほどなので、特許権存続期間終了後は他の企業(後発企業)も自由に先発医薬品とほぼ同じ有効成分を有する医薬品の製造販売ができるようになるのです。当然、後発企業は研究開発費用の大部分を省くことができるので、安価な医薬品を提供できるというわけです。
さて、次に心配になるのが、効果と安全性ですね。安くても効果と安全性が保証されなければ意味がありません。
そもそも新薬は、有効成分・安全性について十分に確認されています。その同じ成分を使用して製造されているのがジェネリック医薬品。ですから、効き目や安全性、品質は新薬と変わりありません。
また、ジェネリック医薬品も新薬と同じように、薬事法によって厳しく規制されているので、販売後もチェックを受け、有効性・安全性を確保するようになっています。
すべての薬にジェネリック医薬品があるとは限りません。また、薬の種類により薬価が異なりますが、新薬とジェネリック医薬品の価格を自己負担額で比較した場合の例をあげてみましょう。
■ 高血圧・狭心症の代表的な薬を1日2回、1年間服用した場合(2008年4月現在)
| 新薬 | ジェネリック医薬品 | 差額 | |
| 高齢者医療 (1割負担) |
4,750円 | 3,290円 | 1,460円 |
| 健保・国保・高齢者医療 (3割負担) |
14,240円 | 9,860円 | 4,380円 |
■ 糖尿病の代表的な薬を1日3回、1年間服用した場合(2008年4月現在)
| 新薬 | ジェネリック医薬品 | 差額 | |
| 高齢者医療 (1割負担) |
5,110円 | 3,290円 | 1,820円 |
| 健保・国保・高齢者医療 (3割負担) |
15,330円 | 9,860円 | 5,470円 |
■ 花粉症の代表的な薬を1日1回、6ヵ月服用した場合(2008年4月現在)
| 新薬 | ジェネリック医薬品 | 差額 | |
| 高齢者医療 (1割負担) |
3,240円 | 1,440円 | 1,800円 |
| 健保・国保・高齢者医療 (3割負担) |
9,720円 | 4,320円 | 5,400円 |
* 出典:沢井製薬 『ジェネリックハンドブック』
* 金額は薬代のみを計算した場合です。医療機関の窓口で支払う金額は、薬代のほかに診察代、検査代、調剤基本料などが含まれることがありますのでご注意ください。
* すべての薬にジェネリック医薬品があるとは限りません。また、 薬の種類によって薬価が異なります。
こうして表で比較してみると、年間の薬代がかなりお得になるのがわかりますね。
2008年4月、ジェネリック医薬品を標準とする方向で処方せんの様式が変更され、「後発医薬品への変更不可」の欄が追加されました。つまり、医師がそこにサインをしない限りは薬剤師と相談してジェネリック医薬品を自由に選択できるということです。
逆に、医師がサインをした場合、先発医薬品でなければ治療上不都合だと判断したことになります。この場合、抗がん剤・降圧剤などの重要な薬剤であることが多いようです。
ですから、まずは医師にジェネリック医薬品の希望を伝えてみましょう。
なんとなく自分からは、ジェネリック医薬品の希望を医師や薬剤師に切り出しにくいという場合には、「ジェネリック医薬品お願いカード」を使うのもいいでしょう。日本ジェネリック医薬品学会のホームページからダウンロードできますので、保険証と一緒に保管して、必要な時に提示してみましょう。
* 「ジェネリック医薬品お願いカード」は日本ジェネリック医薬品学会のホームページにある「患者さんの薬箱」からダウンロードできます。
執筆 : 河野 知子(こうの ともこ) 看護師 フリーライター
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