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以下の内容は掲載当時のもので、現在と異なる場合がございます。
2007年1月26日|編集:小原(香)
2006年9月に、2006年10月の医療保険制度改正についてファイナンシャルプランナーの深沢さんに解説していただきましたが、今回はこの医療保険制度改正によって、出産時給付における制度が改善されたことについてフォーカスして解説していただきました。
(2006年9月に掲載した医療保険制度改正についての記事はこちら)
民間の医療保険では、妊娠・出産(正常分娩でないと認められる場合を除く) については保険金が支払われませんので、こうした公的医療保険制度はありがたいですね。
1.はじめに
厚生労働省は、2006年6月に「2005年の人口動態統計」で、1人の女性が一生の間に生むと推定される子どもの数を示す「合計特殊出生率」が1.25であると発表しました。
これは、2004年を下回る過去最低の数字です。
この数字は、特に年金制度に大きな影響を与えることになります。出生率が低下することは、高齢者を支える若年層が将来減少していくことを意味しています。したがって政府は少子化に対して、さまざまな施策を実施・検討しています。
その流れの中、公的医療保険から支払われる出産時の給付について、2006年の10月から制度が改正され改善されました。今回はその内容について紹介したいと思います。
2.出産したときの給付がアップ
公的医療保険の被保険者本人、健康保険であれば女性社員が出産したときには「出産育児一時金」が支給されます。男性社員の被扶養配偶者が出産したときには「家族出産育児一時金」が支給されます(以後これらをまとめて「(家族)出産育児一時金」と記述します)。
いずれの一時金も、従来は子ども1人について30万円、双子なら60万円が支給されていました。2006年10月からは、これが子ども1人について35万円に引上げられました。
大手の企業やその関連会社の社員が加入している、いわゆる「組合管掌健康保険」の中には、この額に上乗せする「付加給付」がある場合があります。
3.出産時の資金繰りがラクに
子どもを出産するときには、通常入院することになります。出産にかかった医療費は私たちが直接請求され、ひとまず手元の現金を医療機関に支払います。退院してひと段落してから、加入している公的医療保険制度に(家族)出産育児一時金を請求します。
つまり出産費用に関して、ある程度のまとまった資金をあらかじめ準備しておかなければならなかったわけです。
2006年の10月に、政府管掌健康保険(主に中小法人に勤務する役員・従業員が加入している健康保険)、船員保険の被保険者については、この流れが改善されました。
(家族)出産育児一時金は健康保険の被保険者が請求して受け取るのではなく、事前に医療機関を受取代理としておき、医療機関から健康保険にその支払いを請求してもらうことになりました。これにより、私たちが医療機関の窓口で支払う出産費用の金額が少なくてすみ、出産時の資金繰りがラクになります。
4.対象者
出産予定日まで1ヵ月以内の政府管掌健康保険・船員保険の被保険者、または被扶養者を有する政府管掌健康保険・船員保険の被保険者が対象となっています。
なお、医療機関からの請求額が35万円以上である場合は、社会保険事務所から35万円全額が医療機関に支払われます。請求額が35万円未満の場合は、医療機関からの請求額を医療機関に支払い、35万円との差額は被保険者に支払われます。
5.まとめ
現状ではこの制度はすべての医療機関で取り扱っているわけではありません。出産のために入院する医療機関に、(家族)出産育児一時金の受取代理を行っているかどうか、確認してください。
また、組合管掌健康保険についても、同様のしくみが整いつつあります。出産を控えた組合管掌健康保険の被保険者の人は、この制度が導入されているか、勤務先で確認してみてください。
出産は家族の一大イベント。今回説明したような制度が整備されつつありますが、まとまった出費にあわてないようにしたいものです。出産は「予定日」がわかっているわけですから...。
公的医療保険制度による受取代理は、すべての医療機関で対応しているものではないようです。せっかくの公的制度、きちんと内容を理解して賢く活用しなくてはもったいないですね。

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