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2007年2月13日|編集:小原(香)
確定申告のシーズンですね。医療費控除や住宅ローン控除など、申告に向けて準備を進めていらっしゃるかたも多いと思います。
今回は、昨年1年間に医療費をたくさん払った場合に、一定の額を課税所得から差引くことで税金を取戻せる「医療費控除」(*)について、ファイナンシャルプランナーの深沢さんに教えていただきました。
「医療保険で入院保険金などを受取った場合は?」「夫婦共働きならどちらが申告する?」「海外で払った医療費は?」といった、あまり知られていないポイントも紹介していただきましたので、ご参考にされてはいかがでしょうか。
記事を執筆されたファイナンシャルプランナーのプロフィール
(*)「医療費控除」は所得控除の1つです。住宅ローン控除などの税額控除とは異なります。
2月に入ると、税金を追加で支払ったり、逆に還付を受けたりするための手続きである確定申告で世の中があわただしくなります。いくつかの場面で、確定申告することによって税金が還付される場合があります。
その代表例が、「医療費控除」。
昨年1月から12月の1年間に納税者が支払った治療・出産等に関する医療費の自己負担が、10万円(昨年の総所得が200万円未満の人は総所得の5%)を超えた人は、所得額から一定額が控除され(200万円が限度)、翌年に申告すれば税金が還付されます。
特に会社員は通常、勤務先の年末調整で納税が終了しますが、確定申告することにより、所得税だけでなく住民税も軽減されますので、ぜひ知っておきたい知識です。
医療費控除の額は、次の計算式で算出されます。![]()
<図をクリックすると大きくなります。>
2.対象となる「医療費」とは?
自己負担した「医療費」とは、公的医療保険を使って診療(診察・入院・投薬)を受けた場合の一部負担金のほか、公的医療保険が使えない医療費、例えば治療に必要な差額ベッド代(本人の都合によるものを除く)などの自己負担分も含まれます。
ここは、公的医療保険の「高額療養費」の制度と異なるところです。
医療費の対象者は「生計を一にする」ことが必要です。同居している扶養家族の医療費はもちろんのこと、生活費を仕送りしている子どもや親というように、別居している扶養家族の医療費も対象となります。
対象とならない医療費の代表例としては、健康診断の費用、健康の保持増進、美容整形に関するものです。ただし、健康診断によって重大な疾病が見つかり、その後継続して治療が行われた場合は、その健康診断の費用は医療費控除の対象となります。
対象となる医療費は、病院・医院へ支払ったものだけではありません。例えば、胃薬・風邪薬・傷薬など、病気やケガの治療を目的とする薬を薬局やドラッグストアで購入した場合の費用も対象となります。また、入院・通院のための電車・バスなどの公共交通機関の交通費も対象となります。さらに通院に緊急を要し、やむを得ず使わなければならない場合のタクシーの費用も対象です。
3.公的医療保険・生損保から給付を受けたときは?
医療費の自己負担分が10万円を超えた場合でも、ちょっと待ってください。
加入している公的医療保険制度から、高額療養費・(家族)出産育児一時金のように、医療費を補てんする給付を受けた場合は、これらを医療費の自己負担分から差し引かなければなりません。ただし、傷病手当金・出産手当金(いずれも会社員・公務員の公的医療保険制度)は、医療費を補てんするものではなく、長期休業による所得補償という位置づけの給付であることから、差引く必要はありません。
また、加入している生命保険・損害保険から、入院給付金(入院保険金)・手術給付金(手術保険金)・通院給付金などの名目で給付を受けた場合は、医療費の自己負担分から差引かなければなりません。ただし、比較的高額の給付金を受取った場合、その給付を受ける対象となった病気やケガの自己負担分だけから差引けばよいとされています。
例えば生損保の給付金が20万円、その対象となった傷病における医療費の自己負担分が10万円である場合、自己負担分から差引く額は10万円になります。給付金の残りの10万円は他の病気やケガの自己負担分から差し引く必要はありません。
4.申告のしかた
税務署で「確定申告書A」と「医療費の明細書」をもらいます。会社員・公務員の人は、勤務先で交付される「給与所得者の源泉徴収票」から必要な数字を「確定申告書A」に転記し、さらに「医療費の明細書」に所定事項を記入します。明細書の記入方法は、国税庁のウェブサイト(確定申告書作成コーナー)などでも紹介されていますので、ここでは説明を省きます。また、自己負担した医療費や薬局で購入した薬代の領収証をまとめて封筒に入れます。領収証のない交通費関係の費用は表にしておきましょう。
書類がまとまったら、住所地を管轄する税務署に提出します。確定申告は毎年2月16日から3月15日までですが、税金を戻すだけの確定申告の場合は、2月16日より前から受付けています。比較的空いている時に申告することをお勧めします。
5.ポイント
医療費控除を受ける上での留意点などについて、いくつかご紹介しましょう。
(1)領収証をこまめにとっておく
医療費控除を申告するためには、原則として領収証が必要になります。したがってこまめに領収証をとっておくことがポイントになります。医者にかかるまでもないが治療のために薬を薬局で購入した場合も、レシートを念のため保管しておきましょう。通院するときの交通費を支出した記録を、こまめにとっておくことも重要です。
(2)夫婦共働きの場合は?
医療費控除は、所得から上記「1.」で紹介した計算式で算出した額を差引く制度であるため、税率が高い人の方が、結果的に控除額が大きくなります。したがって、夫婦共働き世帯の場合は、それぞれの税率を比較して、税率の高い人が申告すると有利になります。
<図をクリックすると大きくなります。>
(3)海外で支払った医療費もOK
海外旅行中に入院・通院したときの治療費についても、医療費控除の対象になります。領収証は必ずもらっておきましょう。その際の「医療費」は、実際に支払ったときの為替レートで円に換算して申告します。海外旅行傷害保険に加入して給付を受けたときは、その額を医療費から差引かなければならないことは、上記「3.」で紹介したとおりです。
(4)国税庁のウェブサイトを活用すると便利!
国税庁のウェブサイトでは、「確定申告書等作成コーナー」があります。上記「4.」で紹介した「確定申告書A」についても、ウェブサイト上の入力画面があり、必要な計算機能がついています。したがって計算ミスの心配がありません。カラープリンターでプリントアウトすれば、そのまま税務署に提出できます。また添付書類で必要な「医療費の明細書」もプリントアウトすることができます。
国税庁のウェブサイト・確定申告書作成コーナーはこちら
以上が医療費控除の制度の概略です。個別の内容については、税務署や税理士にご相談ください。
医療費控除は、高額な医療費を支払った人に対して事後に税金を還付する、補助的な負担軽減措置の制度です。不意に訪れる高額な医療費の出費に対する備えは、貯蓄・保険などで、キチンと講じておきたいものです。
(*)治療の内容によっては還付が受けられないこともあります。詳細は税務署や税理士にご相談ください。

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