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以下の内容は掲載当時のもので、現在と異なる場合がございます。
2009年6月26日|編集:小原(香)
皆さんは税制改正についてどのくらい関心を持っていますか?
税制改正が私たちのくらしに与える影響は少なくないのですが、毎年改正されるので、「いつ」「何が」「どのように」変わり、「私たちのくらしにどのような影響を与えるのか」をつねに確認しておくことは大変かもしれません。
そこで今回は、2009年度の税制改正のうち、私たちのくらしへの影響が大きいと思われる「保険料控除」「住宅ローン控除」「証券税制」を中心に、ファイナンシャルプランナーの深沢さんに解説していただきました。税制改正のポイントをしっかりおさえ、上手にくらしに活かしていきたいですね。
今回は、2009年度の税制改正の中から、私たちの生活にかかわりあいの深いものをピックアップして解説します。中には、数年先に適用される内容もあります。改正点、新設された制度内容とともに、「いつから実施されるのか」という点についても、キチンと整理しておきましょう。
まずは保険関係の改正から。
生命保険料控除とは、1年間に支払った生命保険料の額に応じて、一定額が所得から控除され、その結果所得税・住民税が軽減されるものです。終身保険、定期保険(特約)、医療保険に適用される一般の生命保険料控除と、個人年金保険料控除(保険料の払込期間10年以上、など一定の要件を満たしたもの)の2種類があります。
現在は一般の生命保険料控除、個人年金保険料控除それぞれについて、次のようになっています。
したがって、一般の生命保険と個人年金保険の両方の契約があった場合の控除額の上限は、所得税で10万円、住民税で7万円となっています。
2009年度の改正では新たに民間の介護保険・医療保険およびそれらの特約が対象となる「介護医療保険料控除」が創設され、生命保険料にかかる控除は3種類となります。施行されるのは、2012年分(平成24年分)以後の所得税、2013年度分(平成25年度分)以後の住民税です。それぞれについて、次の計算式で算出された控除額となります。

その結果、所得税における控除額合計の上限は12万円となり、現行の控除額より上限が増えます。ただし、新しい制度が施行された後に締結された医療保険や介護保険でないと別枠での「介護医療保険料控除」の対象とならないことに注意が必要です。
施行日前に加入した医療保険や介護保険は一般の生命保険料控除となり、従前の制度が適用されます。
住民税における控除額の上限については、上の表をもとに計算すると28,000円×3種類=84,000円となるのですが、実際には7万円が上限となります。
新制度と従前の制度の両方の控除の適用があるときは、所得税で合計12万円、住民税で合計7万円が控除額の上限となります。
2010年度(平成22年度)の税制改正で制度の詳細がわかる予定ですので、今年(2009年)の年末に発表される改正案(税制改正大綱)はチェックしておきましょう。
*保険料控除の対象になるのは一定の生命保険・個人年金保険・地震保険などで、自動車保険は保険料控除の対象ではありません。
住宅ローン控除とは、10年以上の返済期間であることなど一定の住宅ローンを組んで、要件を満たす住宅を購入して居住した場合、年末時点での住宅ローンの残高に控除率を乗じた金額の税額が還付される制度です。
この制度は2008年(平成20年)の入居分で終了するとされていましたが、住宅を購入する人を支援し、内需を拡大して景気を浮揚させることを目的として、減税の制度を5年間延長することとしました。今年(2009年)以降、住宅を購入する人には朗報と言えそうです。
控除期間、住宅ローンの年末残高の限度額、控除率は次のとおりです。

今年もしくは来年に入居する場合は、1年間で最大で50万円、10年間で最大500万円の税額の還付があります。しかしローンが開始してから10年後も5000万円の残高があるためには、30年返済、金利年2%とすると、当初7000万円近い借入額になります。10年間で500万円還付されるのは、ごく限られたケースであることに留意すべきです。
認定長期優良住宅(国が定めるいわゆる「200年住宅」)の新築または取得を行い、居住した場合は、通常の制度と比較して若干優遇されています。
2009年分(平成21年分)以後の所得税において住宅ローン控除を適用し、その年に支払った所得税の額(控除前の所得税額)よりも計算上の控除額の方が大きくなったときは、翌年度分の個人住民税において残額を減額することができます。ただし翌年度分の住民税から控除できる限度額は、当該年分の所得税の課税総所得金額等の額×5%(最高97,500円)となります。
ファイナンシャルプランナーとしては、所得の割に高額なローンを組むことはお勧めできないのですが、このケースに該当したら活用しましょう。
家を買ったその年に転勤命令が出て、年の途中に家族全員で引っ越さなくてはいけなくなった、というのはよくある話です。
従来はこのケースでは、以降も住宅ローン控除の適用が受けられませんでした。住宅ローン控除の適用を受けるためには、入居した年の年末まで家族の誰かが住んでいなければならないという条件があったためです。
今回2009年度の改正で、一度居住したことを証明する書類(住民票など)を提出すれば、転勤が終了して当初住んでいた住宅に戻り、住宅ローン控除を受けられる期間がまだ残っている場合は、再び入居した年以後(賃貸していた場合は、再び入居した年の翌年から)住宅ローン控除を受けることができるよう、要件が緩和されました。
(2009年6月の税制改正法成立を受け、2009年7月に記事を追加しました)
緊急経済対策の追加対策として租税特別措置法の一部が改正され、住宅取得を促進するための贈与税の非課税制度が新設されました。
2009年(平成21年)1月1日から2010年(平成22年)12月31日までに、居住用住宅の新築・取得・一定の増改築のために直系尊属(父母・祖父母等)から資金の贈与を受けた場合は、その期間を通じて500万円まで贈与税が非課税になります。
今回の特例は、従来から存在する贈与税の非課税枠である110万円との併用が可能ですので、住宅資金の贈与であれば610万円の贈与が非課税となります。また、相続時精算課税制度との併用も可能です。
今回の特例を受けて贈与を受けた金額が110万円を超えた場合は、結果的に非課税となっても税務署に申告をしなければなりませんので、注意しましょう。
制度の詳細は税務署や税理士に確認してください。
これは昨年(2008年)の税制改正で決定し、2009年の1月から施行されているものです。
2009年(平成21年)1月1日以後、上場株式の配当や公募株式投資信託の分配金について申告分離課税を選択し、その年または前年以前から繰り越されてきた上場株式や公募株式投資信託の譲渡損失があれば、配当所得と譲渡損失を通算できる制度が新設されました。
配当を受け取ったけれども、株式や公募株式投資信託の譲渡損失が出たら、申告して配当所得を減額することができるわけです。
上場株式や公募株式投資信託等を譲渡することにより発生した所得の税率、上場株式や株式投資信託等から配当・分配金を受けた場合の税率については、2008年度(平成20年度)までと同様に金額の多寡にかかわらず、2011年(平成23年)12月31日まで10%(所得税7%+住民税3%)の軽減税率を継続して適用することとなりました。
ただし、配当所得について総合課税を選択した場合は、他の所得と合算した税率が適用されることになります。
なお、2012年(平成24年)1月1日以後は、20%(所得税15%+住民税5%)となる予定です。
預貯金の利子に対する税率は20%(所得税15%、住民税5%)ですから、株式などの「投資」に対する優遇税制は当面継続しそうです。
上場株式等の譲渡所得や配当所得に関する軽減税率が終了した後、2012年(平成24年)1月からは、毎年1口座あたり1年間の新規投資額100万円について最大5口座まで(この措置が施行されてから5年以内に開設。1年につき1口座に限る。)、保有期間10年間に生じた配当所得や譲渡益について非課税とする特例が設けられることが予定されています。つまり最大500万円の投資額から生じる利益が非課税となるわけです。
財形住宅貯蓄などのように、運用収益が一定額まで非課税になるのはありがたいですね。もちろん運用収益が発生すればの話ですが・・・。詳細は2010年度(平成22年度)の税制改正で明らかになる予定です。この制度を活用できるようにするために、今から投資資金を準備することも検討してはいかがでしょうか。
税制改正は非常に多岐にわたっていて、膨大な項目についてなされます。中でも住宅、金融・証券、相続・贈与に関する税制改正は私たちの生活に密着しているものも少なくありません。
今後は「税制改正をくらしに活かす」という視点を持って、上手に生きることも生活の知恵なのかもしれません。
深沢さん、どうもありがとうございました。
保険加入時期や住宅ローンの組み方によって、納める税金の額も変わってくるので、税制改正による自分の生活への影響をしっかり把握しておくことの大切さを改めて実感しました。
なお、「1.生命保険料控除の改組」のところで保険料控除の対象になるものの一例として「一定の生命保険」が紹介されていますが、ソニー損保のガン重点医療保険も、生命保険料控除の対象です。ガン重点医療保険のご契約者の方には、毎年10月中旬頃に控除証明書を郵送させていただいております。詳しくはこちらをご覧ください。
(保険プロムナード編集局)
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