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ソニー損保:保険とくらしの情報あれこれ

保険金と税金

受取った保険金が収入とみなされ、税金が課せられる場合があることをご存じの方も、多いかもしれません。
今回は、どのような保険金に税金がかかり、どのような保険金には税金がかからないのか、ファイナンシャルプランナーの深沢さんに解説していただきました。
保険金を受取るような事態に直面することは想像したくはありませんが、万一のときの備えのひとつとして確認されてはいかがでしょうか。

この記事を執筆されたファイナンシャルプランナー深沢泉さんのプロフィール



1. はじめに

私たちは万一のときのために保険に加入します。20100108tax_072.jpg

万一のことが現実のものとなったときに、保険会社から保険金・給付金が支払われます。
その保険金に税金が課せられる場合があることに留意しなければなりません。
保険金に税金が課されるということは、税務署に申告する必要がある場合があること、手取り額が減少することにつながります。

今回は「保険金と税金」をテーマに、どの保険金にどのような税金がかかるのか、どのような保険金には税金がかからないのか、保険商品ごとに解説します。



2. 損害保険

(1) 自動車保険

20100108car_Y06F085.jpgひとことで「自動車保険」ですが、その補償内容はさまざまなものから成り立っています。

【賠償に関する保険金】
対人賠償保険金、対物賠償保険金が該当します。
この保険金を受取るのは、自分が被害者となったとき、死亡事故の場合は被害者の遺族となったときです。例えば対人賠償保険金では、自動車事故による被害で給与等の収入が減った場合の補償、将来得られる収入が得られなくなったときの補償、慰謝料、見舞金が支払われます。対物賠償保険金では、自分の車や自宅などが相手の車から損害を受けたときに、損害に関する補償が行われます。

これらの損害賠償保険金を取得した場合は、いずれも非課税です。


【搭乗者傷害保険・自損事故保険】
搭乗者傷害保険とは、補償の対象となる自動車に搭乗中の人(運転者も含みます)が、自動車事故により事故の発生日から180日以内に死傷した場合に、死亡保険金や後遺障害保険金、医療保険金などが支払われるものです。
自損事故保険とは、補償の対象となる自動車に搭乗中の人が電柱への衝突など自損事故で死傷した場合で、自賠責保険から保険金が支払われない場合に(死傷した人が運転者や自動車の所有者である場合など)、この保険から死亡保険金、後遺障害保険金、医療保険金などが支払われるものです。

これらから支払われる後遺障害保険金、医療保険金は非課税です。

しかし死亡保険金については注意が必要です。契約者(保険料負担者)、被保険者、死亡保険金受取人がだれかであるかにより、各種の税金の課税対象となるからです。

表1 死亡保険金に関する課税関係(「契約者」は保険料負担者とする)
20100108_Chart_01.jpg

表1は、個人が保険契約者となった時の契約形態別の課税関係を示したもので、生命保険・損害保険共通の取り扱いです。

(ア)の契約形態では、Bさんが受取る死亡保険金は、相続税の対象になります。Aさんの相続財産に、死亡保険金が「みなし相続財産」として加算されるのですが、「500万円×法定相続人数分」の「非課税枠」があります。
たとえば、Aさんが死亡して妻のBさんが死亡保険金を5千万円受取ったとします。Aさんの遺族を、両親、妻、子供2人とすると、Aさんの法定相続人数は3人(この家族構成ではAさんの両親は法定相続人ではありません)になりますので、500万円×3人=1500万円の非課税枠があります。つまり5千万円がAさんの相続財産に加算されるのではなく、非課税枠を差し引いた3500万円が加算されるのです。
このことは、現金よりも保険金として受取ったほうが相続税の節税ができることを意味します(生命保険と異なり、損害保険は不慮の事故のみを補償するので、このような議論は無意味かもしれませんが・・・)。

ただし、相続税を計算する上では、「基礎控除」というものがあり、相続財産が「5000万円+1000万円×法定相続人数」以下であれば相続税は課されません。前記の家族構成であれば、Aさんの法定相続人数は3人ですので、相続財産(死亡保険金から非課税枠を差し引いたものも含めて)が8000万円までは相続税は課税されません。
死亡保険金が相続税の対象となるといっても、結果的に相続税がかからない場合がほとんどです。

(イ)の契約形態のように、Cさんが相続人以外(法定相続人ではない関係であったり、法定相続人であっても相続を放棄した場合など)の場合も、Cさんが受取った死亡保険金は相続税の対象となりますが、非課税枠はないことに注意してください。

(ウ)の契約形態では、Bさんが受取る死亡保険金は一時所得となり、所得税・住民税の対象となります。
この場合、「(受取った死亡保険金-今までに払い込んだ保険料の総額-50万円)×1/2」が死亡保険金以外の給与所得、事業所得、不動産所得などと合算して、総合課税されます。払い込んだ保険料が少ない状態で死亡保険金を受取ると、意外と大きな金額の一時所得があったとされ、その年の所得税、翌年の住民税が高額になる場合がありますので、注意が必要です。

(エ)の契約形態では、Cさんが受取る死亡保険金は贈与税の対象となります。原則として、1年間に贈与を受けた額の合計が110万円を超えると、超えた額に贈与税が加算されます。相続税や所得税・住民税と比較して、贈与税の税率は最高税率(50%)に早く達するため、できるだけ避けたい契約形態です。


【無保険車傷害保険】
自動車に搭乗中などの自動車事故により、補償の対象となる人が死亡・後遺障害を被った場合で、加害者が不明であったり、自動車保険に加入していないといった理由で十分な補償を受けられないときに保険金が支払われるものです。

「傷害保険」という名称がついていますが、賠償保険の性質を持った保険です。
したがって無保険車傷害保険の保険金は非課税となっています。


【車両保険】
補償の対象となる自動車が、他の車・電柱・建物との衝突、当て逃げ、いたずらなどで損害を受けた場合に、保険金が支払われるものです。

この保険金は非課税です。



(2) 火災保険

20100108house_Y06F014.jpg家屋や家財の損害によって支払われる保険金は非課税です。火災保険の補償内容のうち、傷害費用保険については、火災などによる後遺障害、重症を事由として支払われた場合は非課税、死亡の場合は前記の自動車保険の搭乗者傷害保険・自損事故保険と同様の取扱いです。



(3) 賠償責任保険

賠償責任保険は日常生活で第三者の身体や財産に損害を与えて、法律上の損害賠償責任が発生した時に、保険金が支払われるものです。

この保険金は非課税です。




5. 医療保険・ガン保険・傷害保険

20100108hospital_A318_074.jpg医療保険は病気やケガで入院したときなど、ガン保険は一定期間の待ち期間を経てガンで入院したときなど、傷害保険はケガにより入院したときなどに各種保険金が支払われるものです。

これらの保険商品から支払われる、入院保険(給付)金、手術保険(給付)金、通院保険(給付)金、ガン診断保険(給付)金、高度先進医療給付金などについては、非課税です。
ただしこれらの保険金を受取ったあとに被保険者が死亡した時は、現金が残ります。この現金は死亡した人の相続財産となり、相続人にとっては「相続財産」として相続税の課税対象になります。前記のような「非課税枠」はありませんので、注意してください。

なお、1月から12月までに納税者本人が、本人、本人と生計を一にする配偶者・その他の親族の医療費を自己負担した場合、一定額を所得から差引くことができる「医療費控除」の制度があります。この制度を利用することで、所得税・住民税を軽減することができるわけですが、保険金等で支払われた額は医療費総額から差引かなければいけません。

医療費控除を受けるためには、住所を管轄する税務署に確定申告する必要があります。確定申告にあたっては、医療機関から受取った領収証を添付しなければなりません。

医療費控除の額は以下の算式で求めます。
20100108_Chart_02.jpg

この算式で医療費の額から差引く「保険金などで補てんされる金額」には、公的医療保険制度である健康保険・国民健康保険などから支払われる給付金(高額療養費・出産育児一時金など。所得を補償する傷病手当金は含めない。)のほか、医療保険・ガン保険・傷害保険からの保険(給付)金も含まれます。
医療費控除の金額を計算する際には、これらの保険(給付)金を差引くことに注意してください。




6. さいごに

「保険の税務は複雑である」といわれていますが、個人が契約する損害保険会社で販売している保険から支払われる保険金については、

●第三者の身体・財産、自分自身の財産の損害に対する補償、ケガ・高度障害の補償については非課税。

●死亡保険金は、一般的な生命保険と同様、契約者(保険料負担者)、被保険者、死亡保険金受取人の関係によって課せられる税金が異なる。

のように整理するとわかりやすいと思います。


(保険プロムナード編集局スタッフから)
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深沢さん、どうもありがとうございました。
確定申告では、いろいろな計算や書類の提出が必要なものも多く、煩わしさを感じることもあるかもしれませんが、納税は国民の義務、納税額が過小になることも払い過ぎることもないよう、適切に納めたいものです。

なお、保険プロムナードでは、以前にも確定申告に関連する記事を掲載しましたので、ご参考までご紹介させていただきます。
2008年10月掲載記事「年末調整はなぜ必要?」
2007年2月掲載記事「医療費控除のポイント」

このコーナーでは一般的な情報を紹介しております。
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