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ソニー損保:医療保険の広場

以下の内容は掲載当時のもので、現在と異なる場合がございます。

【インタビュー】骨髄移植推進財団 綾戸さんに聞きました!

骨髄移植(以下、移植)は、白血病などの血液難病を治療する方法のひとつですが、そのもとになっているのは善意による骨髄提供です。この善意による骨髄提供を安定的に仲介するために、国の主導のもとで骨髄バンク事業を主体となって運営している、財団法人骨髄移植推進財団広報渉外部の綾戸由紀恵さんにお話を伺いました。

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綾戸 由紀恵(あやと ゆきえ)
財団法人骨髄移植推進財団 広報渉外部 広報チーム

2003年より骨髄バンクの広報を担当。骨髄バンクの広報サイト「donrsnetドナーズネット(http://www.donorsnet.jp/)」の運営や、骨髄ドナー登録者向けの情報誌発行、全国各地で開催されるイベントなどを通して、積極的なPR活動を展開中。

 

 

 

 

 


骨髄ドナー(以下、ドナー)登録の現状についてお聞かせください。

Chance.jpg2007年7月末現在の登録者数は、約28.5万人です。これまでの累計では36万人を越える方にご登録いただきました。累計登録者数よりも現在の登録者数が少ないのは、一旦登録したあとに、骨髄提供可能な上限年齢に達したために取消(*1)になってしまったり、何らかの事情による登録取消(*2)が発生したりするためです。
(*1)骨髄提供ができるのは、ドナーの安全を最優先するため、55歳までという年齢制限があります。
(*2)骨髄バンクでは、ドナーの意思を最大限尊重しますので、登録後に取消すことも可能です。

移植を待つ患者数は増えているのでしょうか。

以前は、白血病をはじめとする血液の病気は不治の病とされていましたが、現在は医学の進歩により「骨髄移植」という治療法が確立され、助かる可能性が高くなってきました。そういう意味では、移植を待つ患者数は増えているという状況です。また、最近では血液疾患以外にも、移植が治療に有効とされる疾患が確認されてきているので、今後ますます「骨髄移植」の必要性は高まるといわれています。

どのくらいのドナー登録が必要と考えていらっしゃいますか。

30万人のドナー登録を目標にしています。設立当初(*3)は10万人という目標を掲げていました。これは、10万人のドナー登録があれば移植を希望する患者の約9割にドナーが見つかるという試算によるものでした。この試算は血清学上の適合率に基づくものでしたが、その後、研究が進み、移植の成績向上を目指して遺伝子レベルでの適合が求められるようになりました。このため、1998年(平成10年)からは「30万人」を目標としてきました。
(*3) 財団法人骨髄移植推進財団は、1991年(平成3年)12月18日に設立されました。

目標である30万人に到達するのはいつ頃の見込みでしょうか。

interview03.jpg現在のペースでドナー登録者数が増加していけば、2007年(平成19年)度内には30万人に到達できると考えています。もちろん、登録後の取消などもありますので、多少前後する可能性はありますが、遠くない将来に到達できると期待しています。

しかし、骨髄バンクの理念は、ドナー登録者数を増やすことではなく、ひとりでも多くの患者さんに移植の機会を提供することにありますので、この目標はステップのひとつであると考えています。

それでは、次のステップとしては、どのようなことに取組まれる予定ですか。

ここまでドナー登録者数を増やすことができたのは、多くの方に支えられてきた結果であると思っています。多くの皆様のご支援により「骨髄バンク」や「骨髄ドナー」「骨髄移植」という言葉はかなり広く認知されるようになりました。

しかし、ドナー登録の方法や、骨髄提供までの流れなど、具体的な内容についてはまだまだ浸透したという実感はありません。今後は、さらにもう一歩踏込んだ具体的な内容についても、正しい情報を多くの人に知っていただけるような活動を展開していきたいと思っています。

移植が可能になるのは、ドナーと患者の白血球の型が一致した場合のみと伺っています。どのくらいの確率で一致するのでしょうか。

interview04.jpg白血球の型のことをHLA型といいますが、これはA・B・O・ABに分類される赤血球と比べ、複雑でたくさんの種類があります。HLA型は、両親から半分ずつ受継ぐものですので、兄弟間では4分の1の確率で一致しますが、親子間ではぐんと確率が低くなります。血縁関係がない場合はさらに一致する型を見つけることが困難になります。

現在は、兄弟のいない方もいると思われ、血縁者の中でドナーを見つけることは以前にも増して難しくなっているのではないでしょうか。

少子化の影響で兄弟の数が少なくなる傾向にありますので、身内(血縁者間)でドナーが見つからない患者さんが少なくありません。そのために設立されたのが「骨髄バンク」ということになります。

血縁者からドナーを探すことが困難になっている現在では、ますます「骨髄バンク」の役割が重要になってきているということですね。

そのとおりです。「骨髄バンク」が設立される前は、患者は自らドナーを探さなければなりませんでした。身内でドナーが見つからない場合には、自らドナーとなってくれる協力者を探し、自らの費用で検査を受けてもらうことが必要でした。

このことは、患者に検査費用など多額の金銭的負担を強いることになり、結果としてドナーが見つからず借金だけが残るという状況をも生み出していました。このような状況から患者を救うために、公的な組織の必要性が認識され「骨髄バンク」が設立されたのです。

HLA型が一致するドナーが見つかっても、実際に移植を受けることができる患者は約半数であると伺いました。移植ができないのはどのような事情によるものでしょうか。

ドナー側の理由で最も多いのが、健康上の理由によるものです。ドナー登録時には健康であっても、その後の健康状態の変化などにより骨髄提供ができなくなる場合があります。またドナーの安全を最優先するため、通常の健康診断などに比べて厳しい検査基準を設けていますので、一見すると健康状態に問題のない方でも骨髄提供をご遠慮いただく場合があります。

interview05.jpg次に多いのがご家族の理解を得られないケースです。骨髄提供は、ドナー本人のみならず、ドナーのご家族のご協力も不可欠です。そのため、ご家族の同意が得られない場合は、ドナー本人の意思があっても骨髄提供をすることができなくなります。
また、残念ながら住所変更などによりドナー登録者と連絡が取れなくなってしまうこともあります。

さらに、ドナー登録できる年代(18歳から54歳)は、ドナー本人のライフステージにおいて、仕事や結婚、出産など多忙な時期と重なります。そのため、タイミングによっては、数日間の入院が困難な場合も出てきてしまいます。

いざ、自分に適合通知(*4)がくると不安を感じてしまう場合もあるのではないでしょうか。

確かに、不安を感じる方はいらっしゃると思います。ドナー登録をしていただくときにお渡しするパンフレットの内容を、十分にご理解いただくことが前提になっていますが、少しでも不安な点があれば遠慮なくご相談いただきたいと思っています。
また、ウェブサイトでも実際に骨髄提供をした方の体験談やQ&Aを掲載するなど、ドナーの不安解消の手助けができるような体制作りをすすめています。
(*4)患者とHLA型が一致すると骨髄バンクから送付される、ご説明書などの書類一式

そのほかに、1件でも多くの移植を成立させるために取組んでいらっしゃることはありますか。

News2.jpg「骨髄移植」という言葉は広く認知されている一方、移植をすると脊椎を損傷してしまうのではないかといった勘違いなどから、誤った認識をもたれている方もいらっしゃいます。まずは、ドナー登録をする前に正しい情報を知っていただきたいと考えています。現在もパンフレットなどを用意していますが、よりわかりやすい情報提供ができるように取組んでいく必要性を感じています。

また、ドナー登録後も時間の経過とともに骨髄提供へのモチベーションが薄れてしまう場合がありますので、ドナー登録者向けに年2回「骨髄バンクニュース」という情報誌を発行しています。「骨髄バンクニュース」では、ドナー本人のほかご家族も含めて、正しい情報を知っていただけるように、骨髄提供までの検査や面談、入院の様子といった情報を写真や図などを添えて、より具体的にお伝えしています。ここに、住所変更の届出用紙を同封することで、連絡がつかなくなってしまうドナー登録者を減少させる取組みも行っています。

全国で開催される各種イベントに足を運ばれ、チラシやパンフレットの配布など精力的にPR活動をされているお姿を、ウェブサイト(*5)で拝見いたしました。最近では、マラソンに定期的に参加されているようですが、もともと運動はお好きなのでしょうか?

interviwe02.jpg同僚が参加するという話を聞いて、そのときになぜか「わたしも走る」と・・・なぜそんなことを言ってしまったのかは記憶にありませんが、つられて参加申込をしてしまったというのが本当のところです。
(*5)アヤト隊長のなんでも探検隊ブログ(http://www.donorsnet.jp/blog

 

でも10kmは、つられて走るにはつらい距離ではありませんか?

学生時代も運動系の部活に所属していたわけではないので、10km走れる何の保証もなく「走る」と言ってしまいましたので、あせって練習をはじめたんですよ。

10kmを完走された後、現在はハーフマラソンでも完走されていますね。パンフレットを配るときと、タスキ(*6)をかけて走っているときでは、周りの方の反応などは違いますか?

いろいろなイベントに参加させていただいているので、イベントごとに感じることは違うのですが、マラソンについてはタスキをかけて走っていると、沿道から「骨髄バンクがんばれ!」と声がかかることが多いです。

走っている途中でつらくなることがありますが、沿道からの声援が聞こえると力が湧いて「がんばろう」という気持ちになります。PRのためにイベントへ参加しているときは、骨髄バンクの広報として普及啓発をしなければならない立場ですが、実は周囲の皆様から力をもらっているほうが大きいかもしれません。
(*6)綾戸さんは骨髄バンクPR用のタスキをかけて、マラソンに参加されています。
2007年3月18日に「2007湘南国際マラソン」に参加されたときの写真を、綾戸さんにご提供いただきました。中央の黒いジャージに黄色いタスキ姿が綾戸さんです。

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ソニー損保では、2007年11月1日からガン重点医療保険SURE<シュア>に、「骨髄ドナーサポート特約」(*7)を、保険料を変更することなく組込みます。この取組みについてはどのように思われますか。

骨髄提供していただくドナーはすべてボランティアであり、骨髄バンクでは、休業補償までサポートしきれていないのが現状です。そのため、ソニー損保さんのようにドナーをサポートする入院保険金を取り入れていただいたことは、骨髄バンク事業にとって非常に有意義なことであると思っています。また、(通常)3泊4日に及ぶ入院期間中の休業補償がないために骨髄提供をためらってしまうドナーもいると思いますので、そういったドナーにとっても、保険の存在は骨髄提供にむけての大きなバックアップになると思います。本当にありがたいお話しだと思っています。ありがとうございます。

ソニー損保さんが導入する以前にすでに、ドナーをサポートする同様の保障を導入している保険会社さんもいくつかございますので、今後は保険業界のスタンダードとして、このような保険を導入していただけると、本当に力強いと思っています。

(*7)正式名称:骨髄幹細胞採取手術担保特約条項(傷害および疾病危険担保特約条項用)
保障を受けられる方(被保険者)がドナーとなり、骨髄幹細胞採取手術を受けられた場合に、一律10万円の手術保険金と入院日額に応じた入院保険金を日帰入院からお支払いします。詳しくは、骨髄ドナーサポート特約の保障内容を紹介するページ
をご確認ください。

「骨髄移植」は、関心をもつきっかけがあちこちにあるはずなのに、日常では気づかず通りすぎてしまうことが多いのかもしれません。もっと身近なところにそのきっかけとなる何かがあれば、より多くの方に正しい情報を知っていただけるのではないでしょうか。骨髄バンクに関するパンフレットや、綾戸さんの走る姿がきっかけとなって骨髄移植に関心を持たれた方もいると思います。これからは、ソニー損保のガン重点医療保険SURE<シュア>のパンフレットも、そのきっかけのひとつになることを願っています。

1件の移植を成立させるためには、多くの方の協力が必要です。もちろんドナーの意思が一番ですが、ご家族のサポートや勤務先、学校の理解も必要になります。また、提供時には病院など医療機関の協力も不可欠になります。このように、いろいろな力を必要としているわけですが、そこにソニー損保さんのサポートも加わったことになります。「ひとつひとつ(の力)はもしかするとそれほど大きくないかもしれませんが、その力がひとつに集まると、大きな力になる」と思っています。

ぜひ、今後ともご協力をお願いしたいと思います。

今回の骨髄ドナーサポート特約の新設は、損害保険事業を通じて社会的責任を果たす方法のひとつであると考えています。
この特約の新設には、ドナーとなられる方の経済的負担を少しでも軽減することでドナー登録者数の増加や移植の成立をサポートし、1人でも多くの移植を待つ方を救うことができれば、という思いが根底に流れています。また、より多くの方に「骨髄移植」について、関心を持っていただくきっかけのひとつとなり、移植を待つ方やそのご家族など患者を支える方々の希望につながれば幸いです。

*この記事は、日本における骨髄バンク事業について伺った内容を紹介しています。

 *骨髄ドナー登録の流れなどについては、こちらからも確認できます。

 

 


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