【過失割合】赤信号無視の歩行者に衝突

2023年5月時点の内容です。

遊びに夢中になって、赤信号にもかかわらず道路に飛び出してくる子どもたちにヒヤっとされた経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
横断歩道を赤信号で飛び出してきた歩行者と衝突してしまったケースを例に、過失割合や支払われる保険金について説明します。

赤信号を横断してきた歩行者に衝突!

今日から待ちに待った連休。連休中に家族でのドライブ旅行を計画したあなたは、旅行に備え、近所のガソリンスタンドでガソリンを満タンに。明日からの旅行が楽しみで、うきうきと自宅に向かって車を走らせていました。
目の前に横断歩道が見えてきましたが、進行方向の信号は青で、歩道で信号待ちをしている人もいなかったため、そのまま直進。

子どもが突然飛び出し

ところが、歩道脇から小学校2〜3年生の子どもが突然飛び出してきて、そのまま赤信号の横断歩道を走りぬけようとしています。あなたはすぐにブレーキをかけましたが、あまりにも突然のことでブレーキが間に合わず、子どもにぶつかってしまいました。

ケガをした子どもはすぐに救急車で病院に。幸い命に別状は無かったものの、治療費など相手側の損害額は合わせて250万円にのぼりました。

さて、この場合、過失割合はどうなるでしょうか?

赤信号を横断してきた歩行者に衝突!

【過失割合】

自動車(あなた):歩行者= 40:60

【解説】

歩行者が赤信号を無視して横断歩道を横断したことによって起こってしまった事故の場合、一般的な過失割合は、自動車:歩行者=30:70です。
このケースの場合は、衝突した相手が小学校2〜3年生の児童だったため、弱者保護の観点から過失割合が自動車:歩行者=40:60となります。

信号機

もし、衝突した相手が幼児や身体障がい者だった場合は、自動車側の過失割合はさらに大きくなり、自動車:歩行者=50:50になります。

歩行者が赤信号を無視して横断歩道を横断したことによって起こってしまった事故なのに、自動車側に過失が生じるのは自動車のドライバーから見ると納得感が無いかもしれません。
とはいえ、一歩間違えば動く凶器ともなりかねない自動車には交通強者として常に責任が強く求められていること、また、自動車のドライバーにも前方注意義務や適切なブレーキ操作をする義務があることから、自動車側にも過失があったとされるのです。

支払われる保険金

【自賠責保険で支払われる保険金】

自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)の傷害事故の場合の支払限度額は120万円です。
自賠責保険では、相当悪質なケースを除いて過失割合を問われることはありませんので、このケースでは自賠責保険から120万円が歩行者側に支払われることになるでしょう。

【あなたの自動車保険から支払われる保険金】

賠償金額は、歩行者の損害額250万円から歩行者の過失分の150万円(60%)を差し引いた100万円になります。 自賠責保険から支払われる120万円でカバーできるため、結果的には、対人賠償保険からは保険金は支払われません。

逆の立場だったら・・・、人身傷害保険が使えるかもしれません。

ここまで、あなたが自動車のドライバーだった場合を例に、支払われる保険金について解説してきました。
ここからは、あなたが逆の立場(= あなたが赤信号を横断した歩行者)で、あなたの入院費や休業補償などの損害額が250万円にのぼった場合について簡単に解説します。
今回のケースのような過失割合(自動車:歩行者(あなた)=30:70)で自動車側から賠償保険金を受取れない場合、損害額250万円のうち自賠責保険金120万円でカバーされない130万円については、自分ですべて賄わなければいけないのでしょうか? 

そんなときにとても役に立つのが人身傷害保険です。

幅広く補償する人身傷害保険

幅広く補償する人身傷害保険

人身傷害保険では、記名被保険者やその配偶者・同居の親族の方などが歩行中の自動車事故で死傷した場合について、過失相殺することなく補償の対象としています(*)
つまり、あなたの自動車保険に人身傷害保険を付帯していれば、あなたの人身傷害保険から過失割合に関係なく保険金を支払ってもらうことができるのです。
また、人身傷害保険のみの保険金支払の場合は、事故件数にカウントしない「ノーカウント事故」となるため、次の継続契約のノンフリート等級は1等級上がります。

交通事故に遭われた場合は、ご自身の契約されている保険会社にご相談いただくことをおすすめします。