【保険金は支払われる?】大雪による損害(カーポートの倒壊による損害など)

2023年5月時点の内容です。

カーポートの倒壊

豪雪地帯に限らず、悪条件が重なれば、雪があまり降らないとされる地域も大雪に見舞われることがあります。
過去には、例年は雪があまり降らない関東甲信地方の一部地域で予想をはるかに超える大雪が降り、雪の重みで自宅駐車場のカーポートが倒壊し、車が下敷きになって損傷したという事例が多発したこともありました。

ここでは、大雪による損害に対して、どのような保険金が支払われる可能性があるか解説します。

【ご注意!】

ここで紹介する事例等は、あくまでも当社の商品内容に基づくもので、かつ、一般的なものです。ご契約内容や損害を受けた状況などによって実際の対応は異なることがあります。

大雪、雪崩による車の損害は、車両保険で補償

家の屋根やカーポートから落ちてきた雪、あるいは、雪そのものの重みにより、車の屋根やボンネットがへこむといった損害が生じた場合、車両保険から保険金が支払われます。車両保険には、主に「一般型」と「エコノミー型」がありますが、いずれのタイプの車両保険でも補償されます。
一方、降り積もった雪に衝突した場合や、雪でスリップし他の物に衝突した場合には、「一般型」であればお車の損害が補償されます。「エコノミー」型では、お車以外のものに衝突した場合には補償されません(ガラス損害を除く)。また、お車に衝突した場合でも、相手方のお車の登録番号等と、その運転者または所有者が確認された場合のみ補償されます。

大雪による車の損害

車両保険の補償の対象となる例

「大雪による損害」の例をいくつか紹介します。

  • 積もった雪の重みで車の屋根がへこんだ。
  • 雪の重みで倒壊したカーポート(屋根と柱だけの簡易的な駐車施設)の下敷きになった。
  • 雪崩に巻き込まれた。
大雪による損害

支払われる保険金の額は?

設定した車両保険の保険金額を上限に、車の修理費(=損害額)から設定している免責金額(自己負担額)を引いた金額が保険金として支払われます。なお、車の損傷が激しく、全損(*1)となった場合は、免責金額は引かれず、設定した保険金額の全額が支払われます。

車両保険の保険金額が150万円、免責金額5-10万円(保険期間中、車両保険の使用が1回目の場合は5万円、2回目の場合は10万円の自己負担額が生じる)の場合を例に挙げて説明します。

車の修理費が50万円

全損扱いではないため、免責金額5万円を引いた45万円が車両保険金として支払われます。

車の修理費が170万円

保険金額を超えているため全損扱いとなります。免責金額は引かれず、保険金額150万円全額が車両保険金として支払われます。

また、もし車のトランクまたはキャリアに固定していた個人が所有する物が損傷してしまった場合は、「車内身の回り品特約(*2)」が付いていれば、同特約から保険金が支払われます。

(*1)「全損」とは、損害額・修理費が保険金額を超えてしまうことをいいます。

(*2)ソニー損保における同特約の正式名称は「車内身の回り品補償特約」です。保険会社によって特約名称が異なりますのでご注意ください。

大雪による損害で保険を使った場合の次年度のノンフリート等級は?

大雪による損害で保険を使った場合の次年度のノンフリート等級

ソニー損保では、大雪や雪崩など、落ちてきた雪(物)による損傷で「車両保険」と「車内身の回り品補償特約」のいずれか一方もしくは双方のみから保険金をお支払いした場合については「1等級ダウン事故」としており、次年度の契約の等級は事故1件につき1等級下がり、次年度の1年間のみ事故あり係数が適用されます。

大雪による被害を未然に防ぐために

雪は積もれば積もるほど、そして時間が経てば経つほど注意が必要になります。降り始めの新雪はそれほど重くはありませんが、降り積もった雪は時間の経過とともに密度が高まり、その重みは増していきます。例えば、車の平面積を約8平方メートルとして計算した場合、50cmの積雪では約1,200kg程度の荷重がかかります。これは、体重60kgの大人20人分の重さに匹敵します。

車が雪で損傷するリスクを減らすため、大雪が予報されたときには以下のような対策をとりましょう。

  • 車のボンネット、屋根などは定期的に雪おろしをする
  • 車を建物の屋根からの落雪の危険がない場所に移動する
  • カーポート(駐車場の屋根)は定期的に雪おろしをする

【ご注意!】

雪かきや雪おろしはご自身と身の回りの安全をしっかり確保したうえで行いましょう。

カーポートは地域に合わせた耐積雪荷重性能で選ぶ

雨や日差しからマイカーを守ってくれる便利なカーポートですが、その耐積雪荷重性能は製品ごとに異なります。
一般的なカーポートの場合、積雪が20cmを超える前に雪下ろしをすることが基準となっていますが、豪雪地域に合わせた強度の高いカーポートも存在しています。地域によって積雪量は差があるため、北海道や日本海側といった豪雪地域では、50cm以上の積雪に備えたカーポート選びが不可欠でしょう。なお、豪雪地域以外は50cm以上の積雪の可能性は低いと言われていますが、豪雪地域以外にお住まいでカーポートをこれから設置しようと考えている方は、突然の大雪に対する備えをしておくと安心かもしれません。

カーポートの損害には火災保険

雪の重みで倒壊したカーポートが損傷した場合、カーポート自体の損害は自動車保険の補償の対象外です。なお、火災保険から保険金が支払われる可能性がありますので、加入されている保険の契約内容をご確認ください。