【過失割合】夜間、無灯火で飛び出してきた自転車との事故

2023年5月時点の内容です。

夜間、無灯火で飛び出してきた自転車との事故

夜間や夕暮れ時、ライトをつけずに走っている自転車は、ドライバーからはなかなか目につきにくいものです。暗がりからいきなり目の前に現れた自転車に、ヒヤリとした経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

夜間における車と自転車の交通事故の過失割合について、例を挙げて解説します。

【ご注意!】

ここで紹介する過失割合は、あくまでも一般的な基本の割合です。事故や事故当時の状況によって過失割合は異なります。あくまでもご参考とお考えください。

【事例】一方に一時停止の規制がある交差点における、一時停止を無視した自転車と直進車の事故

夜間、一時停止の規制がある道路から一時停止を無視して直進した自転車と、交差点を直進する車が衝突してしまいました。事故時、直進車はライトをつけており、自転車はライトをつけていませんでした。

一方に一時停止の規制がある交差点における、一時停止を無視した自転車と直進車の事故

【過失割合】

A(直進の車):B(無灯火の自転車)=45%:55%

【解説】

交差点の一時停止を無視して直進した自転車と、交差点を直進した車との事故の場合、基本の過失割合はA(直進の車):B(無灯火の自転車)=60:40となります。

この事例の場合、まず、事故が発生した時間帯が自転車を視認しづらい夜間であることから、B(無灯火の自転車)の過失が5%上乗せされます。
さらに、自転車は夜間走行する際にライトをつけることが義務付けられているので、それを違反したB(無灯火の自転車)に著しい過失があると判断され、10%の過失が上乗せされます。基本の過失割合にB(無灯火の自転車)の過失が15%加算されたため、『A(直進の車):B(無灯火の自転車)=45%:55%』という考え方になります。

なお、A(直進の車)側に脇見運転などの前方不注意や時速15km以上の速度違反が認められた場合は、A(直進の車)の過失が上乗せされる可能性があります。
また、B(無灯火の自転車)が児童等(おおむね13歳未満)や高齢者(おおむね65歳以上)の場合も同様に、A(直進の車)の過失が上乗せされる可能性もあります。

事故を防ぐために「かもしれない運転」を心掛ける

上記事例のようなケースでは、ほとんどの場合、優先道路ではない側が一時停止をすれば交通事故は回避できると考えられます。

しかし、自転車の場合は一時停止がおろそかになっている場合も多いようです。事故を防ぐためには、自分が優先道路を走っていたとしても、「路地から自転車が飛び出してくるかもしれない」など、さまざまな可能性を想定しておく「かもしれない運転」を常日ごろから意識することが効果的といえます。

特に住宅地では、小さな子どもやお年寄りが自転車に乗っていることも多く、いきなり道路から飛び出してくることも十分に予測されます。

見通しの悪い交差点では一時停止の標識があってもなくても、一時停止や徐行などによって安全確認をするようにしましょう。