運転上達のコツ

2023年5月時点の内容です。

運転の上手なドライバー

運転の上手なドライバーのクルマに乗っていると、とても快適で楽しくドライブできます。
なにげなく合流や車線変更をこなしながら、危険なクルマや歩行者の動きもしっかり認知している・・・そういったことがわかると、安心できますよね。
経験の浅いドライバーやペーパードライバーの人は、どうしてこんなにスムーズに運転できるのだろうと考えることもあるかと思いますが、運転の上手なドライバーには共通点があります。運転の上手なドライバーがどんな点に気をつけて運転しているのかをひも解きながら、少し意識するだけで大きく自信がつく運転のポイントを紹介します。

経験の浅いドライバーと運転の上手なドライバーの違いは?

実は、運転の上手なドライバーというのは運転技術が優れているというよりも、情報を察知する能力と危険を予測する能力に優れているのです。
運転に必要な情報の90%以上は視覚に依存すると言われています。しかし、クルマは動いているため視力や視野が、止まっている状態よりも大きく落ちたり狭まったりします。そのため、運転中は周囲のさまざまな情報をつねに意識的にチェックする必要があります。経験の浅いドライバーと運転の上手なベテランドライバーの運転中の視点の移動を比較すると、経験の浅いドライバーが前方車両の周辺ばかりを見続けているのに対し、運転の上手なベテランドライバーはさまざまなところを頻繁にチェックしているという違いがあります。
特に大きな違いは道路の左右やルームミラー、サイドミラーを見る回数にあります。

運転がうまくなるポイントその1 「運転中の視点に気をつける」

運転の上手なドライバーは、事前に周囲のクルマの位置や道路の変化などを確認しているからこそ、スムーズに車線変更ができ、ギクシャクしない走行をすることができます。
意識的に少し先を見るようにすれば、自然と交通の流れや駐停車車両の死角などの危険を察知することができるようになります。そして、道路の左右やルームミラー、サイドミラーで後方や隣の車線のクルマの存在と車間距離を認識しておくことで、とっさの対応にも余裕が生まれます。

前方のクルマの動きだけに気をとられていると、多くの情報や危険の予兆を見逃してしまいます。

前方のクルマの動きだけに気をとられていると、多くの情報や危険の予兆を見逃してしまいます。

運転がうまくなるポイントその2 「正しいドライビングポジションをとる」

経験の浅いドライバーに多い運転姿勢に、シートを大きく前方に出してハンドルにしがみつくように座るというものがあります。前のクルマにぶつけたくないという意識からくるようですが、これではほとんど一点のみを見続けてしまうことになります。
自分の足で走るときに足下を見続けて走ってみましょう。怖くてうまく走れないはずです。顔を上げて少し遠くを見つめると気持ち良く走れますよね。クルマの運転もこれと同じことなのです。

また、ハンドルを強く握りしめ、ガチガチに力をいれてしまう人も多いようですが、クルマは力ではなく機械操作で動く乗物です。できるだけ肩の力を抜き、リラックスして運転できるポジションをとりましょう。

正しいドライビングポジションをとるコツ

  1. 基本はシートに深く腰掛けることです。肩がシートから離れない位置に背もたれを調整したら、ハンドルの上のほうを握ってみてください。
  2. 次に、軽く肘が曲がる程度までシートを前後させましょう。背中をシートに押しつけながら、ブレーキペダルが一番奥まで踏める状態であることを確認してください。このとき決して前かがみで調整しないことがポイントです。

慣れないうちは正しいドライビングポジションを怖く感じてしまう人も多いようです。また、身長が低い場合などはフロントウインドウから車両の先端などが見えにくく、不安になってしまうこともあります。そうした場合はシートの高さを上げて調整します。クルマ選びの際には、体型に合わせたドライビングポジションが設定できるように、シートの高さを調整できるハイトアジャスターやハンドルの高さを調整するチルトステアリング機能の有無も確認しておきましょう。

シートは前後だけでなく高さも調整することで、格段に運転しやすくなります。

シートは前後だけでなく高さも調整することで、格段に運転しやすくなります。

運転がうまくなるポイントその3 「ミラーを正しく調整する」

正しいドライビングポジションが決まったら、今度はそれに合わせてミラーを調節しましょう。

車内のルームミラーの調整の仕方

通常、ルームミラーはミラーの中心とリアウインドウの中心が合うように調整します。右ハンドル車の場合、正しいドライビングポジションをとってルームミラーに自分の顔がバッチリ映っているのなら、頭が少しだけ映る程度までやや左側に調整してください。そうすることで助手席側サイドミラーの死角を小さくすることができます。

サイドミラーの調整の仕方

サイドミラーは、まず上下を調整します。道路が映る範囲をミラーの下半分以下くらいの状態にして、できるだけ後方まで確認できるようにしましょう。それから左右を調整し、自車のボディがほんの少しだけ映っているようにしてください。自車がまったく映っていない状態だとほかのクルマとの位置関係がつかみづらくなります。なお、サイドミラーはできるだけ広い範囲が見えるように凸面鏡になっています。凸面鏡は実際の視界よりも小さく見えます。つまり、少し遠くにいるように見える隣の車線のクルマが実際はかなり近くにいることになります。

なお、ルームミラーとサイドミラーの両方の視界を合わせても見えない死角が存在することも忘れずにいてください。特に、自車のすぐ横にオートバイなどがいた場合、まったく気がつかないということがあります。右左折時や車線変更時などはミラーだけに頼らず、必ず目視で確認するクセをつけるようにしましょう。

サイドミラー

発進前にほんの数分だけシートとミラーを調整する時間をとるだけで、安全性はぐっと高まります。

正しいドライビングポジションがとれるようになると、一気に周囲の視界が良くなります。そうすると今まで見えていなかったさまざまな交通状況が見えるようになります。周囲の交通の流れや危険な状況が予測できるようになれば運転にゆとりが生まれ、確実にスムーズな運転ができるようになるはずです。