大雨・台風時におけるクルマの運転の注意点&クルマが冠水した場合、保険は使える?

2023年5月時点の内容です。

もしクルマを運転中に、道路が冠水してしまったらどのようなことに気をつけたらいいでしょうか。ここでは、台風や大雨、またはゲリラ豪雨が身近で起こったときに、クルマや自分の身を守るための注意点を紹介します。

大雨・台風時におけるクルマの運転に関する注意点

災害が発生する恐れのあるときは不要不急の外出は控え、クルマを運転しないことが第一ですが、必要に迫られて運転する場合は、以下のことに気をつけましょう。

大雨・台風時におけるクルマのイラスト
  1. 1  高架下や立体交差点のアンダーパスなど、地面より低い場所を走らない。
  2. 2  冠水した道路は避ける。(水路や溝が水没していて見えない可能性がある)
  3. 3  安全な場所に停車し、雨が通り過ぎるのを待つ。
  4. 4  トンネル出口や橋梁(きょうりょう)部を走行する際は、突風に注意して速度を控える。
  5. 5  万が一、冠水した道路に入ってしまったらスピードを落とす。速度が速いと巻上げる水の量が増え、エンジンに水が入りやすくなる。
  6. 6  落石や土砂崩れなどの災害をさけるため、海岸沿いや崖などのそばを走らない。

一般的にクルマが走行可能な水深は、乗用車であればドアの下端、クルマの床面が浸からない程度です。マフラーやエンジンの吸気口が水を吸ってしまったり、排気管が水圧で塞がれると、エンジンが停止してしまうこともあります。

特に、海水による冠水の場合は、海水が電気を通してしまうため、電気系統のショートにより火災の発生や感電の恐れもあります。

冠水した道路やアンダーパス、スリバチ状の道路に水たまりが発生している場合などは、見た目だけでは水深を測ることができないため、絶対に入らず引返しましょう。

クルマが水没・冠水してしまった場合の対処法

クルマが水没・冠水してしまったイラスト

もし万が一クルマが冠水して車内に浸水してしまった場合は、以下のように行動してください。

  1. 1  すぐさまクルマを止め、慌てずにエンジンを停止させる。
  2. 2  エンジン停止後は、故障や火災の原因にもなるため、水が引いても再始動させない。
  3. 3  足元や水深に注意しながらゆっくり車外に出て、来た方向に歩いて戻る。
  4. 4  車内に水が浸入し、水圧でドアが開閉できない時は、緊急脱出用ハンマーを使用し、クルマの側面のガラスを割って脱出する。
  5. 5  脱出用ハンマーがないときは、車内の水位と外の水位との差が小さくなったタイミングを見極め、足に力を込めて一気にドアを開け脱出する。
  6. 6  クルマは水が引くまで放置し、ロードサービスや販売店などに救援依頼を要請する。

クルマが冠水してしまった場合、修理に保険は使える?

台風や大雨による冠水でクルマが損傷した場合、修理にかかった費用などについて車両保険から保険金が支払われます。車両保険には、主に「一般型」と「エコノミー型」がありますが、いずれの車両保険でも保険金支払いの対象です。

支払われる保険金の計算方法や、保険を使った場合のノンフリート等級については、以下記事をご参照ください。

【保険金は支払われる?】台風・豪雨などの自然災害の場合

その他に注意しておくべきポイント

クルマを移動することで水没事故を未然に防ぐことができます

クルマを移動することで水没事故を未然に防ぐイラスト

早い段階で浸水や冠水の危険を感じたら、早めにクルマを高台や浸水しない区域などに移動させておくといいでしょう。以下の点にもご注意ください。

  1. 1  崖や川などに近い場所にクルマを置かない。
  2. 2  道路より低く浸水の危険のある地下駐車場等は避ける。
  3. 3  強風で飛んでくる飛来物を避けるため、可能な限り屋根が設置してある保管場所を選ぶ。

防災気象情報を入手する

「豪雨になりそうだから外出はやめておく」といった判断も、時には重要です。
最近ではパソコンやスマートフォンの普及により、最新の防災気象情報を手軽に入手できる環境が整ってきています。
最新の防災気象情報をキャッチすることは、思わぬ事故やトラブルの防止に役立ちます。

気象庁ホームページ 防災情報 

自宅でしておくべき台風・集中豪雨への備え

自宅における台風・集中豪雨によるライフライン断絶などに対する備えも必要です。台風が接近する前はしっかりとチェックをしておきましょう。

イメージ:非常用品
  • 窓や雨戸はしっかりとカギをかけ、必要に応じて補強する。
  • 側溝や排水口は掃除して水はけを良くしておく。
  • 風で飛ばされそうな物は飛ばないよう固定したり、家の中へ格納する。
  • 非常用品の確認(懐中電灯、携帯用ラジオ(乾電池)、救急薬品、衣類、非常用食品、携帯ボンベ式コンロ、貴重品など)
  • 飛散防止フィルムなどを窓ガラスに貼ったり、万一の飛来物の飛び込みに備えてカーテンやブラインドをおろしておく。
  • 水の確保(断水に備えて飲料水を確保するほか、浴槽に水を張るなどして生活用水を確保する。)
  • 避難場所の確認

(東京消防庁ホームページより転載)