2012年09月24日|編集:福田
安全運転の基本となるドライビングポジション。出発前に座席の位置や運転姿勢などをきちんとチェックすることは、安全運転のための第一歩といえるでしょう。そこで今回は、ブレーキやハンドルの操作がスムーズに行え、長時間ドライブでも疲れにくい、正しいドライビングポジションについて紹介します。
ドライビングポジションは安全運転にかかわる大きな要素のひとつです。シートの位置や運転姿勢が不適切な状態だと、いざというときにブレーキを踏みこめない、うまくハンドルを操作できないといった事態を招きやすく、思わぬ事故を引起こす可能性があります。クルマを的確に操作し、とっさの危険を確実に回避するためには、正しいドライビングポジションでの運転がとても重要です。
また、運転中は誰でも緊張を強いられるものですが、シートの座り方、姿勢などに気を配るだけで、運転による緊張や疲れを軽減することも可能です。ドライブ中に腰が痛くなる、肩が凝るといった方は、もう一度、自分のドライビングポジションを見直してみましょう。
初心ドライバーに多い前屈みの姿勢は、体に力が入りすぎ肩こりの原因にもなります。
まずは、腰部が背もたれにぴったりと密着するようシートに座りましょう。腰とシートにすき間があると、いざというときに体が後方にずれてしまい、ブレーキを強く踏みこむことができません。まだ運転に不安のある初心ドライバーや女性などは、浅めに座ってしまうことが多いので、お尻をシートに押し込むような気持ちで、意識的にシートに深めに腰かけましょう。
座るポジションが確定したら、次はシートの位置を調整します。ブレーキペダルを目一杯踏みこんだときに膝が軽く曲がった状態になる位置に、シートを前後に移動します。なお、マニュアル車の場合はクラッチペダルを基準にしてください。膝が伸びきってしまっていると、それ以上ブレーキを踏みこむことができないので注意が必要です。フットレストがあるクルマの場合は、左足をフットレストに乗せて、体を安定させましょう。
背中をシートにぴったりとつけた状態でハンドルを無理なく操作できるよう、背もたれのリクライニング角度とハンドルの高さを調節します。このときハンドルの上下に手を置いた状態(ハンドルを左右に切った状態)でも、シートから背中が離れず、肘に余裕がある状態にするのがポイントです。実際の運転をイメージしながら調整していきましょう。ハンドル位置を上下(チルト)だけでなく、前後(テレスコピック)にも調整可能な機能がついた車種なら、さらに微妙な調整が可能です。
最後は、座高に合わせてヘッドレストを調整します。多くのドライバーが首の位置に合わせてヘッドレストの高さを決めていますが、これは間違いです。頭の中心とヘッドレストの中心がぴったりと合った状態がベストポイントです。自分の耳がヘッドレストの中央にくるように高さを決めましょう。ヘッドレストは追突事故の際にむち打ち症などを軽減してくれる大切な装備です。きちんと機能が発揮されるよう、正しい位置に調整しておきましょう。
シートリフター(上下調節)機能があるクルマでは、座面の高さも調整できます。
ドライビングポジションが決定したら、ミラーのチェックも怠らないようにしましょう。ルームミラーはリアウインドー全体が映るように、ドアミラーは3分の1程度車体が映り込むように調整します。後方の死角を減らすために、市販のワイドミラーなどを装着するドライバーも多いですが、この場合、鏡像と実際の距離との差に注意しましょう。
さらに、出発前にはシートベルトの確認も忘れずに行いましょう。肩ベルトは高さ調節機能を使って鎖骨から胸骨を、腰ベルトは骨盤の低い位置をきちんと通るように調整します。バックルはカチッと音がするまでしっかりと差込み、たるみやよじれがないかきちんと確認しましょう。
普段あまり後部座席を使わない方は、いざというときのことを考えて、後部座席のシートベルトの作動状態もチェックしておきましょう。
ベテランドライバーになるといまさらと思う方も多いかもしれませんが、慣れほど怖いものはありません。初心に戻って、今一度、自分のドライビングポジションをチェックしてみてはいかがでしょうか。また、家族でクルマを使用している場合は、ドライバーがかわるごとにポジションの調整を行う必要がありますので、時間に余裕を持ったドライブを心がけたいものです。
このコーナーでは、ドライブやカーライフに関する一般的な情報をご紹介しております。 個別のご質問につきましてはコメントとしてご投稿いただいても、弊社から回答をさしあげることはできません。あしからずご了承ください。
(関連記事)
◇ 車庫入れの運転テクニック