ナンバープレートに表示される地域名

2023年5月時点の内容です。

ナンバープレートにはさまざまな数字や記号、文字が表示されていますが、その意味をしっかりと理解していますか。ナンバープレートに表示されている「地名」について紹介します。

地名は使用の本拠の位置?

ナンバープレートの上段に記載されている地名は、その車両の「使用の本拠の位置」を表しています。しかし、実際には自分が住んでいる市町村とは異なる地名になっているという方も多いはずです。実はこの地名は、その自動車の使用の本拠の位置を管轄する運輸支局または自動車検査登録事務所の所在地を表示したものです。

運輸支局と自動車検査登録事務所はクルマの登録台数に応じて全国に点在していますが、通常は複数の市町村をまとめた区域を管轄しています。現在、管轄区域が1つの市のみというナンバープレートは、川崎市の「川崎」と大阪市の「なにわ」の2つ(ご当地ナンバーは除きます)しかありません。そのためそのクルマのオーナーの居住地とは異なる地域名になる場合も多いのです。

なお、軽自動車のナンバープレートは軽自動車検査協会で交付されますが、基本的に運輸支局や自動車検査登録事務所と同区域を管轄し、表示地名を合わせることになっています。ただし、自動車検査登録事務所のある市町村に軽自動車検査協会の支局がない場合や、運輸支局や自動車検査登録事務所とは異なる市町村に軽自動車検査協会がある場合もあります。そうしたケースでも運輸支局や自動車検査登録事務所のものと同じ地名表記が使われます。そのため所在地とはかなり離れた地名のナンバーを交付したり、複数の地名のナンバープレートの交付を行っていたりする軽自動車検査協会もあります。

ナンバープレートの上段に記載されている地名

※現在、ナンバープレートの地名の文字数がもっとも多いのは「尾張小牧」の4文字です。

ナンバープレートの地名の変遷

ナンバープレートに表示される地名は原則として運輸支局または自動車検査登録事務所の所在地の名称となるため、都道府県名が表記されているわけではありません。しかし、ベテランドライバーの方は、過去には「茨」、「神」、「愛」など県名の頭文字が記載された「地名1文字表記ナンバープレート」のクルマが走っていたことを覚えていらっしゃるのではないでしょうか。

1949年、全国の都道府県に陸運局(現:運輸局)の事務所が1ヵ所ずつ(北海道は7ヵ所)設置され、1951年に「道路運送車両法」により自動車登録が開始されます。そして、ナンバープレートには各府県(当初東京は省略、北海道は各事務所名)の地名の頭文字が表記されるようになりました。頭文字が重複する府県の場合は、基本的には登録台数の少ないほうが2文字とされ、愛知の「愛」と「愛媛」、福岡の「福」と「福井」「福島」などの表記でした。また、隣接する鳥取と島根では誤読を防止する目的で、鳥取が「鳥」、島根が「嶋」と表記されるという特殊なケースもありました。

その後、爆発的な自動車登録台数の増加で陸運局の支所が次々に開設されることになり、1964年に「府県の頭文字」ではなく「陸運事務所または支所等の所在地の名称」を表示するという新たな基準が定められたのです。これにより頭文字1文字のルールも撤廃され、「神」は「横浜」と「相模」、「大」は「大阪」と「泉」、「兵」は「神戸」と「姫路」、「福」は「福岡」と「北九州」となりました。東京都では、当初、地名の表示が省略されていましたが、その後表示されるようになった「品」「足」「練」「多」がそれぞれ、「品川」「足立」「練馬」「多摩」へと変更されました。以後、陸運事務所の分割、新支所の開設ごとに、新たな地名ナンバーやそれまでの地名表記のフル表示への変更が次々に行われるようになり、現在では府県名の頭文字による1文字表記ナンバープレートはすべて消滅してしまいました。

ご当地ナンバープレート

※ご当地ナンバープレートのクルマを見かけると新鮮な気持ちになりますね。

ご当地ナンバープレートの誕生

ナンバープレートに表示される地名は、運輸支局または自動車検査登録事務所の所在地が原則ですので、基本的に新しい地名表記のナンバープレートが誕生するのは新たな自動車検査登録事務所が開設される時ということになります。

1つの支所は複数の市町村を含むエリアを管轄することがほとんどです。そのため自動車検査登録事務所の新設時には、自分たちの市町村の名前を使用してほしいと考える自治体や住民による誘致合戦が発生することもあります。また逆に、施設ができることによる周辺道路の渋滞などを嫌って反対する人がいるなど、管轄エリアではさまざまな議論が交わされることが多く、すんなりと開設地が決まらなかったり、地名が所在地ではなく地域全体を表すような表記になったりするというケースもありました。

しかし、自分の愛する生活地域名を自分のクルマのナンバープレートにしたい、という自治体や住民の要望などはやはり大きく、地域の発展や観光の振興の観点から、2004年に国土交通省から自動車検査登録事務所の設置によらず独自の地域名表示を定めることができるとした「ご当地ナンバー」の募集が行われました。

ご当地ナンバーは新たにナンバー登録・変更するものだけでなく、現在使用中のクルマについても変更を希望すれば交換することができます。交換には、ナンバープレート代など数千円程度の費用がかかります。なお、ナンバープレートの変更時にはETC機器の再セットアップと自賠責保険および任意保険の変更もお忘れなく。