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高額療養費の制度について(1/2)

2014年02月25日|編集:小原

病気やケガで入院・通院して医療費が高額になった場合、高額療養費制度が利用できます。高額療養費制度について、自己負担限度額の計算方法や注意点などを、2回に分けてファイナンシャルプランナーの深沢さんに解説していただきました。

ファイナンシャルプランナー深沢泉さんのプロフィール
 

当記事は、高額療養費制度改正等に伴い、2018年11月に情報を一部更新しています。

1. はじめに

121126_pict1.jpg病気やケガで入院・通院して医療費が高額となった場合、家計が苦しくなります。

そんなときに役立つのが「高額療養費」の制度です。今回はこの「高額療養費」の制度について、特に70歳未満の人に影響のある部分にポイントを絞って解説します。

公的医療保険でカバーされている範囲をしっかりと把握したうえで、足りない部分については貯蓄や民間の保険でカバーしてくださいね。
 

2. 高額療養費制度とは

高額療養費制度とは、公的医療保険制度による給付のひとつで、被保険者・被扶養者が医療機関で支払う1ヵ月の一部負担金の額が高額になったとき、その負担軽減を図るために設けられている制度です。

私たちは医療機関で診療を受けたり入院したりした場合、窓口で自己負担分を支払います(一般的には3割。ただし70~74歳は2割。2014年3月までに70歳となった人は74歳まで1割。低所得の人は1割。未就学児は2割。)。
121126_pict2.jpg
その自己負担分が一定額を超えた場合、保険者(全国健康保険協会各支部・健康保険組合・市区町村)に請求することにより、支給されるものです。

ここで、高額療養費の対象となる「医療費」に含まれないものがあります。それは、

・先進医療
・入院したときの食事代、差額ベッド代
・自由診療   などです。

自由診療と保険診療とを併用した場合は、保険診療部分も含めてすべてが公的医療保険の適用外となることも注意しましょう。

つまり、高額医療費は公的医療保険の対象となる診療についてのみ適用になることに留意しなければなりません。

3. 70歳未満の人の自己負担限度額

自己負担限度額は、年齢によって異なります。今回は70歳未満の人についてみてみます。さらに所得区分によって自己負担限度額が異なることもおわかりいただけると思います。

(※クリックすると拡大します)
1501_chart1.jpg
 

4. 事例

健康保険の被保険者で、月収が30万円(年収約500万円)のAさんが入院して、1ヵ月の医療費が100万円(自己負担分と保険給付分の合計)かかった場合は、自己負担限度額はどのくらいになるのでしょうか。

今回の事例では、Aさんが高額療養費を支給される前の自己負担分は3割の30万円、健康保険からの給付は7割の70万円になります。Aさんの年収は約500万円なので、前掲の表の(c)の式の中の「医療費」の項目に、100万円を入れて計算します。

自己負担限度額は、80,100円+(1,000,000円-267,000円)×1%=87,430円 となります。

今回のケースでは、すでに30万円を自己負担していますので、300,000円-87,430円=212,570円が申請することにより高額療養費として支給されることになります。

申請してから支給されるまでには、一般的に3ヵ月から4ヵ月かかります。
 

5. 支給要件

高額療養費は、1つの医療機関で支払った「1ヵ月」の医療費が自己負担限度額を超えた場合に、その超えた額が支給されるというものですが、留意しなければならないポイントがいくつかあります。

(1)計算の基準は暦月

まず、「1ヵ月」とは、月の初日から月末までの暦月である、ということです。したがって仮に4月15日から5月14日までの1ヵ月で自己負担した医療費が一定額を超えても、高額療養費を計算するときの基準は、4月1日から4月末日と5月1日から5月末日に分割されてしまいます。

たとえば4月15日から5月14日にかけて治療を行い、自己負担した医療費が合計では限度額を超えたとしても、4月15日から4月30日までの期間で自己負担した医療費が限度額に満たない場合、4月分の高額療養費は支給されません。

(2)支払先を分類する121126_pict3.jpg

同じ月の中で複数の医療機関で受診した場合は、それぞれ分けて計算します。同一の医療機関であっても、医科と歯科、さらにそれを入院と通院に分けて計算する必要があります。

つまり、暦月で計算した際には一定額を超えていても、医療機関別、医科・歯科別、入院・通院別にそれぞれに支払った金額を分類して、一定額を超えなければ、高額療養費が支払われないのです。
 


今回は、高額療養費の基本的な制度について解説していただきました。「高額療養費の制度について(2/2)」では、世帯合算や医療費負担の軽減を目指した制度について解説していただきます。

 

 

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